menu
  • Instagram
  • Twitter
  • Facebook

中部電力、浜岡不正「経営責任」で会長・社長退任 翌日からそろって「特別顧問」

浜岡原発
浜岡原発(静岡県御前崎市)

 中部電力は2026年9月14日、静岡・御前崎市の浜岡原子力発電所3・4号機の地震動評価を巡る不適切事案を受け、勝野哲会長(72歳)と林欣吾社長(65歳)が9月30日付で退任すると発表した。両氏は退任翌日の10月1日から「特別顧問」として中部電力に留まる。

 中部電力は同日、第三者による調査委員会の報告書を公表した。報告書では、浜岡3・4号機の地震動評価を巡り、問題を指摘する内部通報があったにも関わらず、自社の評価方法は正しいとの認識が社内に強く、是正につながらなかった実態を指摘。上層部から現場への厳しい要求や叱責が繰り返される中、データの改ざんが続けられていた経緯が明らかにされた。

 

 中部電力は報告書を受け、2014年から進めてきた浜岡3・4号機の再稼働に向けた安全審査の申請を取り下げることを決定した。

 

 経営陣も交代する。勝野会長と林社長が9月30日付で退任し、安井稔専務執行役員(61歳)が10月1日付で社長に就任する。会長職は空席となる。中部電力は今回の人事について、「経営責任を明確化し、新たな体制により経営改革を進める」としている。

▮経営責任の退任、通常人事の交代年齢との比較

 中部電力は今回のトップ交代について、「経営責任を明確化」するためとしている。ただ、過去のトップ人事と年齢を比べると、勝野氏と林氏はいずれも通常の世代交代があっても不自然ではない時期を迎えている。

2015年以降の中部電力トップ人事
2015年以降の中部電力トップ人事

 

林氏は59歳で社長に就任し、約6年半後の65歳で退任する。勝野氏は60歳で社長に就任し、65歳で会長へ移り、今回72歳で退任する。過去の人事では、社長交代は60歳前後から60代半ば、会長退任も60代後半で行われてきた。今回の退任年齢は、過去のトップ交代と比べて早いものではない。

▮退任翌日から「特別顧問」

 一方、中部電力が公表した人事資料には、退任後の人事も記載されている。

中部電力 役員人事発表資料
2026年9月14日 中部電力役員人事等について

 

 勝野氏と林氏は9月30日付で退任した翌10月1日から「特別嘱託」に就任する。対外的な肩書は「特別顧問」となる。水野明久相談役も9月30日付で退任し、翌日から同じく特別顧問となる。

 

 「経営責任を明確化」するとして会長と社長を退任する一方、両氏は翌日から特別顧問として会社に残る。

 

 中部電力では、トップ退任後に相談役などへ移る人事が過去にも行われている。2015年には三田敏雄氏が会長から相談役へ、2020年には水野氏が会長から相談役へ移った。今回も通常の人事と同様に、トップ経験者が退任後に会社に残る。

▮大手メディア、「引責辞任」大きく報道、「特別顧問」焦点にならず

 9月14日以降、主要メディアは勝野会長と林社長の退任を相次いで大きく報じた。「辞任」「引責辞任」といった見出しが並び、浜岡3・4号機の申請取り下げとともに、トップ2人が責任を取って退くことがニュースの中心となった。

 

 一方、主要メディアの報道では、2人が退任翌日から「特別顧問」として中部電力に残る人事について、「経営責任」との関係から検証した報道はほぼ確認できない。

 

 「浜岡原発の申請取り下げ」と「会長・社長の引責辞任」が大きく報じられる一方、その翌日から両氏が特別顧問として会社に残る人事には焦点が当たっていない。両氏が実際に退任する9月30日、その後の人事がどのように伝えられるかも注目される。

 

Related Sites

中部電力