海外メディア取材支援のFPCJ、過大交付で計2745万円返還 外務省は経費の根拠確認せず

会計検査院は2026年10月19日、外国メディアの国内取材を支援する公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)に対し、外務省が事業費を過大に交付していたと公表した。対象外の人件費や管理費が含まれていたにもかかわらず、同省は根拠となる書類を確認していなかった。FPCJは過去の年度を含め、計2745万円を9月に返還した。
問題となったのは、外国記者への情報提供や取材協力を支える「啓発宣伝事業等委託費」。名称は委託費だが、補助金としてのルールが適用される。検査院が2023・2024年度の交付額計約2億7838万円を調べ、1664万円の過大交付を確認した。さらに外務省が2021・2022年度分も調べたところ、さらに1081万円の過大交付が判明した。
FPCJは、職員が休暇を取った日や別の事業に従事した836人日についても対象事業の人件費などに計上していた。また、別契約のプレスツアーなどを行なっていながら、管理費を事業ごとに分けていなかった。外務省は職員の従事状況や、経費の算出根拠を確認せず、申請額をそのまま認めていた。
FPCJは1976年、日本新聞協会と経団連の共同出資で設立され、2011年に公益財団法人へ移行した。現在は同新聞社協会系の日本プレスセンタービル(東京都千代田区)に入居する。自治体や企業などの依頼を受け、外国メディア向けの記者説明会やプレスツアー(現地取材会)などを行なっている。
外務省出身者が長年、トップを務めている。1988年に就任した第3代理事長から現在の第7代理事長・兒玉和夫氏まで、5代続けて外務省出身者が就任している。
会計検査院は同日、政府開発援助(ODA)で整備した機材が本来の目的どおりに使われず、援助効果が十分に上がっていない複数事業についても、外務省と国際協力機構(JICA)に改善を求めた。